スター状態じゃないと描けない絵ってあるよねという話

私には、やたらドカンと集中力が増して無敵状態になる瞬間というのが、ランダムに訪れるときがあります。

そのランダムさと言ったらそれはそれはいい加減で、「今じゃないだろう今じゃ」というときにやる気がみちみちてしまったりしますと、もう、仕事どころではなくなってしまいます。

そしてそれはごく短期的で、双極性障害の躁状態のように数日〜数ヶ月続くというようなものではありません。私の場合は、もって1日半〜2日といったところでしょうか。

そして、そういう時にしか描けない絵というのがあります。

私はどちらかというと、描き始めてしまいさえすれば筆は速いほうです。
というか、時間をかけてじっくりと作品を仕上げることができない、あまりこま切れに時間をかけると仕上がる前に飽きてしまうので、一気に仕上げるようなモノ以外作品らしい作品にならないといったほうが近いのですが。

ですから、わたしの作品は「ほぼラフ」か、もしくは「スター状態で描きあげたやつ」のどちらかが多いことになります。

「スター状態で描きあげたやつ」を見返すと、「わし、なんでこんなん描けたんやろう」と思います。

平常運転のときは、そんな気力さっぱりないのです。

たいして何も思いつかないし。

主にコミック調のふつ〜の絵を、ふつ〜に楽しく描くという感じです。

いくらスター状態のときにいいものが作れたからといって、それを自分の本来の姿と思ってしまったら、おそらく本当に大変です。生きてゆけません。
それだと、今現在の私は超ド級の鬱状態ということになってしまいます。

ふだんは、ただのでくのぼう。
ろくに仕事もできない、出来損ない。
悲しいけれど、そっちがデフォルトのわし。

そして、たまにものすごいやる気をだして物事を一気に仕上げる。
それも、それで、わし。

そのスター状態をうまく操れたら最強なんでしょうけれど、そんなんできたら病院いらんわ。

だから、お仕事にはあんまりならないですよね、うん。
画力が高いわけではないから、ちゃんと描くとなると時間もかかりますし。
それは私の中では「作業」なんですよ。創作、とは、私の中では微妙に違う感覚なんです。
それは、スター状態のときに得た手応えとかを頼りに、平常状態でそこに近づくように、頭と体を道具のようにがんばってうまく使って、調整するような感覚。

だから、本当に描きたいものを描くのは、ある意味、趣味の範疇です。
その趣味が、結果的に気に入ってもらえて価値を感じてもらえて買ってもらえたのなら、これが商品として成立したなら非常にうれしいわ、という感じです。
甘ったれた考えかもしれないですけど。

私の性質であるランダムなやる気が産んだ物を見てもらえるように、それだから、より過去ログの見返しやすいブログやホームページっていうのに回帰しはじめてるんですよね、最近。

年一ぐらいでまめイラストブックを生産するっていうのもいいかなと思っています、売る売らないは別として、自分ログみたいな感じで。
80歳ぐらいになった時、すっかりおばあさんになった私の部屋に歴代のそれがずら〜〜〜〜〜って並んでるの、熱くないですか。

私にとって創作することはイコール人生なので、人の評価度外視で大事にしたいものっていうのも、あるんですよね。

もちろん人の評価もすっごい気になりますけどね。
わたくし、俗物ですの。

スター状態、いいんですけど、疲れるんですよねあとで。
「ほげ〜」になっちゃうんですよね。
だからといって意識的に控えられるかと言うとそうでもなく。。。

まだまだ自分に踊らされてますねえ。