演者、兼、裏方、兼、全然関係ない仕事のバイト、という3足でありたい話

私は、こう見えても(どう見えてるかはわかりませんけれど)、けっこう現実を見るタイプなんです。

現実的な人の中ではわりと夢見がち側にいるんですけど、夢見がちな人の中だとけっこう現実的。
という感じだと思います。

「音源とか作品とかがすげえ売れて有名な人になる」みたいなの、私あんまりそういう希望、ないんです。
だって、うれしい反面かなりめんどくさいじゃないですか。
なんか、アーティストさんとか芸能人さんとかに「有名税」というワードを盾にしてめちゃくちゃな事言う人とかいるし。
私、アンチとかつくの、やだし。

まあ望んだところで有名になれるかというと、有名になれる要素は特段ないので、ドンマイって感じなんですけど。

私は何になりたいのか、というと、特段何にというのはないんです。
ただ、やりたいと思ったことは一通りやりたい。
プロレベルじゃなくておままごとレベルでよいので、思いついたことは自分でやれる範囲で全部やりたい。

なんか、「有名になって一発当てる さもなくば 粛々と一般的な仕事で稼ぐ」の二択みたいなの、あれは何ていうか、ひとつの在り方であって、すごくカッコいいんだけれども、そうでなくてはならないということはないと思うんですよ。

私はもともと音響屋なんですよね。
ライブハウスの音響と、ブライダルの音響。
ただ言ってもやってたのはトータルで6〜7年くらいなので、そんな、なんていうか経験者ヅラできるほどのあれではないんですけど。

でも、いちおうスタンディングで400人キャパのハコつきPA、ひとりでやってました。(照明は専門外なのに照明もやらされてました。。。)

そこを辞めたあとにブライダルの音響をやったとき、思いましたのが、「あっ、私の場合とくに転々としやすいタイプだから、つぶしがきくようにしとかないとだめだな」ということでした。

ライブハウスで好きな服着てただただ音響だけをやっていたときは、多少おかしなやつでも学がなくても、出音さえカッコよければそれで構わなかった。

ブライダルをやってみて、スーツ着て新郎新婦様とお打ち合わせさせていただいたり、名刺交換とかしたり、外注業者だったので会場様とも積極的にコミュニケーションを取ってでも言うべきことは言って、という、仕事の基礎みたいなところがすっぽ抜けていたことが、わかった。

当時もう24歳とかだったのに、私だけ、高校出たての18才みたいだった。
「一般常識」という部分を求められた初めての経験。
でも、新郎新婦さんと打ち解けることができ、「音響さんがくさもとさんで本当によかったです」と言ってもらえたことが何度もあって、お年賀状とかいただいたりもしちゃって、本当にやっててよかったなと思った仕事でもある。

そこで、「アーティスティックな部分と現実的な部分」というのを、できるだけバランスよく持っておくことの必要性をすごく感じました。
そのどちらかに全振り、っていうのが、私の場合無理なんだと。

私は、自分が絵を描いたり歌を歌ったりすることもたいへん好きですし、裏方業務も好きなんです。
(たま〜に「アーティストになれなかった人が裏方をやってる」と思い込んでいる人がいるんですけど、全くちがいますよ。裏方は、すごく奥深いし、知識があるだけじゃ駄目。向いてないと無理。技術と人格の両方を求められるすごく素敵な仕事だと思います。)
アーティストとしてはぶっとんでなさすぎる部分がありますし、少し凡庸かな。
裏方はすごく向いていると思ってますが、「自分もやりたい!」が出ちゃうので、100%打ち込むのは厳しいか。
また私は、「普通の生活」に全振りすることは不可能な性質なんだけれども、30%くらいは普通の生活に寄せる、くらいのことであれば可能。つまり、勤めに出て最低限の安定した給与が見込める。

じゃあ全部やればいいじゃん!
どれか一個、なんてルール、別にないじゃん!

みたいな。

私、安易なんですよ。
でも世の中って、意外と、安易だと思いませんか?
みんなすごい、わっかい時から将来見据えていい学校行ったり勉強したり、すごいですよね。
私今でも鼻水たれてるときあるわ。

基本、「死なんかったらギリでセーフ」と思ってるフシがありますね。

だから今刑務所に勤めてますよ。

語弊がありますか。
でも本当なんです。
刑務所で、収容者さんに日用品を売る仕事してます。

面接行った理由は「刑務所ってめっちゃロックやんけ」と思ったから。
それだけの理由です。

私はロックをはきちがえているね。

そう言って笑った
そう言って笑った

いや、はい。

でも最近は本当、俗に言うパンピーでもさまざまな作品発信ができるようになったから、楽しくって。
私がずっと望んでいたことです。

なんというか「プロではない・企業ではない という大前提のもと、個人のままでどこまでできるのか」っていうのは人生の時間をかけて試したいです。
個人ってね、力がよわい・声が小さい代わりに、「いろいろなしがらみにとらわれずに色々遊べる」「グレーゾーンにある人が助かる」という結構でかいメリットがあると思ってるんです。

なんも勉強せずにわかんないでもの言ってますけど。
デジタルネイティブの考えてることは、こんなんです。
本当にいっろんなサービスありますもんね今。

ネットはすごいな〜。