なんかですよ、私ね、若いときに「一風変わった人」という概念に憧れの気持ちを持っていて、それをバカにされた反動で、今度は急転直下「変な人ぶってはいけない」と思って、変な目で見られるのを嫌がって、ちょっと猫かぶっていたんですよ。
けれども、思ったんです。
私、曲がりなりにも、足りないなりにも、もの作ってるんですよ?
変でナンボですよね。
無理に変人ぶる必要はないけれども、もともと持っている変な部分を恥ずかしがって矯正するのって、はっきり言って、もったいないよな。
だから、きめた。
わし、今日から「本業は芸術家」って名乗りますわ。
何でかって言うと、開業届出す時に職業を選ぶ欄があって、それを「芸術家」にしたから。
刑務所でバイトしてるのは、副業っていうことにする。
実際にはそっちがメインの収入源ですけど。
うーん、まだちょっと恥ずかしい感情があるな。
よくない。
気持ちから作っていかんと。
中学生の時、自分の体に興味がなさすぎて体操着でブラジャー着けてなくて、クラスの人に「恥ずかしくないの?(笑)」ってからかわれたことがあります。
私という人間は、常識的女子から「恥ずかしくないの?(笑)」ってからかわれるような無頓着さが本来の格好なのだから、芸術家と名乗る程度のことで「恥を忍んで思い切ります」とかそういう常識人ぶったやつ、いらん。
どうもーーーーーーー!!!!!!!!
芸術家でーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!!!
うーん。
これも違うな。
そういうのちゃうねん。開き直ってのハイテンション、みたいなんはちょっとちゃうねん。
もっと、ナチュラルに勘違いな感じ。
職質受けたとして、当たり前に、普通に真顔で「芸術家です」って答える感じ。
それが必要だ。
見てる人が「もうやめて!」って恥ずかしくなるような、そんな感じ。
それが本来の私のはず。
うん。
なんか、「いやいや、身の程はわきまえてます、すいません、でも嘘はつけません」みたいなん、いらん。私の場合はそれやると、隠しきれない自意識過剰と自己顕示欲がにじみ出てて気色悪い。
私はもっと、アホやったやろ。
アホっていうのは最強なんです。
アホは、すべての事柄が、そうすべての事柄です、100%すべてです、すべての事柄がね、「可能」なんですよ。
何でかって言うと、アホだからです。
「アホだから」という理由で、何もかも、できるんですよ。
それが私だったはずなんですよ。
もちろん、実際のところは「自分の出来ないことすらわかっていない」だけです。何でかって言うとアホですから、自分の不可能が見えないんです。見えないだけで、不可能はあります。むしろ不可能ばっかりです。
実際のところはそうなのですが、アホというのは、「実際のところ」を超えるんですよ。超越するんです。関係ないんです。理論もへったくれもないんですよ。
何でかって言うと、アホだからです。
アホは、最強なんですよ。
アホは天才より強い。
というわけで、私は芸術家ですので、そのつもりでよろしくお願いいたします。