生活がうまく出来なかった理由と、どうやったら支援制度の申請ができるかを考えた話

20代のはじめごろ、実家がいやでいやで仕方なくて、貯金もなく仕事もないまま家出同然に飛び出して一人暮らしをしたのですが、その生活たるや「かわいそう」としか言いようのない、ひどいありさまでございました。

いま、私の周りにはしんどそうな人がいっぱいいます。私よりも若い方が多いです。
もしもなにかのヒントになればと思うので、「なんでそんなにひどいことになってたのか」あたりを、掘り下げていってみようと思います。

まず、前提として「仕事もしてない・貯金もないという状態で実家を飛び出した」という行為について、一般的には「よくない」と考えられるのですが、私の場合どうしてもこの行為が不正解だったとは思えません。
あのまま実家にいたらと思うと、ちょっとゾッとします。
だからといって、誰にも彼にも必ずしもはオススメ出来ませんが、ここでは、選択肢の一つとしてはアリだという立場で話を進めていきます。

私がうまく生活できていなかった大きな要因は、「自分の能力を把握できていなかった」そして「頼るべき支援を頼るという能力がなかった」という部分だと思います。

私は、「自分にはフルタイムの一般的な仕事はつとまらない」ということをうすうす感じていながら、それを許すことができていませんでした。
周りも、自分も、そこを認めることを許しませんでした。
それがひとつの要因です。

今思うと、おそらく当時の自分の状態であれば、しかるべき手続きを踏めば各種の支援が受けられたと思います。

が、それら支援の手が自分に届くことはありませんでした。

それは、そうした制度が自分に当てはまると判断する力がそもそもなく、仮に当てはまると気づいたとしても自力で手続きを進める能力が欠けているうえに、「そうした手続きを代わりにやってくれる支援者」「私をみつけてくれるひと」がいなかったためです。

私は、「自分は社会の爪弾き者だ」と完全にすねていました。
そして、「自分の力で生きるしかないんだ」とひねくれて、とても褒められたものではないようなバイトを転々として、足りないぶんは消費者金融で借りたり、奇跡的に持っていたクレジットカードを限度額いっぱい使って最安のリボ払いをして、なんとか食いつなぎました。
当時の月収は3万〜多くても10万くらいで、家賃は3万でした。
この間、国民年金・国民健康保険のたぐいはまったく払えていませんでした。

あるとき、受ければ誰でも受かるので入れただけの、たぶんろくなもんじゃなかったのであろうテレアポの会社が夜逃げして、怒った同僚に引っ張られてついていった労働基準局にて、いろいろ言われるがまま手続きをしたら、しばらくあとに未払い給与の8割ぐらいがかえってきました。
これがまとまった額でしたから、それを使ってクレジットカードの残高を精算して、消費者金融の借金を返して、やっとクリーンな身の上になったところでなんとかまともなバイト先が見つかりまして、なんとかなったというところです。

まともなバイト先と言いましても、会社はまともなのですが私のシフトは23時から朝8時までの夜勤。
私は、「夜勤」「低賃金」「後ろ暗い」など、一般的に人が避けたがるような要素がある仕事しかできませんでした。
日勤で、いわゆる「普通の仕事」だと、まともに生活できるだけの給料を稼ぐことができなかったんですよね。

そして、そういう「合わないけど、こういう仕事しか出来ないの」と感じている時点で、人は支援制度を頼っていいのだと思うんです。

ただ、支援制度を頼るにも能力が要るし、そうなると親身になってくれる支援者が必要、というのが現実で、これがまずい。

いま、私は障害年金をいただいてるんですけど、この手続きだって一人だったら絶対に途中で「こんな難しいのもうやだ、もうお金いらないからやめる」とやめていました。
実際に途中でいやになって、もうやめそうになっていたのですが、お医者先生が「あきらめちゃだめよ〜」と励ましてくださったから何とか書き上げられたのです。

先日の10万円一律給付なども、「書類が書ききれない」「なぜか出すことが出来ない」などで申請できなかった人も多いらしく、私自身もそのケがあり、う〜〜〜とためらっていたのですがかなり夫に尻を叩かれて、ようやく書いた記憶があります。

手前味噌ながら、この文章を読んでいただければわかると思うのですが、私は、知能に関しては決して高いわけではありませんが、平均値より低いわけではありません。
理解力も読解力も、特別に優れてはいませんが、人並みにはあります。

なのに、

「絶対に申請したほうが得をするのに、その方法だってちょっと書いて送るだけのはずなのに、書いてあることを読んで理解する能力もあるのに、なのに自力で最後までできない」

のです。

「こういう支援があるから、受けてごらん」

ここまでは、私にも言ってくださる方はおられたと記憶しています。
でも、書類を取り寄せるところまではできるのに、なぜか、最後まで申請できませんでした。
書くだけ書いて役所に行けなかったり、そもそも書くのを途中でやめたりしてしまいました。

能力的には、「できる」んです。
なのに、なぜか「できない」んです。
だから、支援を受けないことを、自分で選択したことであり自己責任である、ということで済まされてしまう。

違うんですよね。
10万円目の前につるされていても、ちょっと書いて送ればそれがもらえるってわかっていても、自力でできない。
「読んで、理解して、書く」能力はあるけど、できない。
なんでできないのか自分でもよくわからないけれども、ちょっとしたことのはずが途方もない大仕事に感じてしまって、手が出なくて、諦めてしまう。
それで結局損をして、無理に自力でがんばらなきゃ生活できなくなってしまう。

で、マルチとかにはまってしまったり、出会い系やSNS上の「お金あげます」系にだまされたり、超ブラックな会社で使い潰されたりする。

そういう人、いっぱいいると思うんですね。
私は、今は生活を共にする人間がいるから、助けを得てなんとか公的支援を受けることができて、それでまともな暮らしをしているだけであって。

これは完全に「たまたま、運」で、みんながみんな得られるわけじゃない。

で、私のような恵まれた立場にある人間は、かつての自分みたいな人に対して、もっともっと寄り添わなきゃだめだと思っています。
より具体的で効果のある方法がろくに思いつかないことを本当にふがいなく思います。

たとえばですけど、スカイプとかZOOM的なもので、「あなたが申請書類書くのに私が付き合う」とかって、役に立ちますかね?
私は知識あんまりないので、お手伝いするっていうよりただ見てるだけになりますけど、書類をちゃんと書き上げるのを見届けて、相手があきらめそうになったら「負けるな〜〜!!」って尻を叩くという。
で、「何日に役所に持っていく(ポストに投函する)」って約束して、「持っていきました!」って報告してもらうところまで付き合う。とか。

今とかだと、文化庁のやつが11月25日から申請始まるじゃないですか。
ああいうやつとか、一人だと途中であきらめちゃう人に付き合う、みたいなの。

私の場合なんですけど、支援制度があることを教えてもらうだけだと、途中で諦めちゃう傾向があるんですよね。
「誰かの監視下」だと、嫌々ながら最後までやれたりするんです。

本当は、「ええい、わしが代わりに書いちゃる!持っていっちゃる!!!」まで言いたいんですけど、日本列島は縦に長い。みんな家が遠い。

ということで、本当に弱い助け方になってはしまうんですけど、それだったら申請してみる……っていう人がいるなら、わたし、本当に付き合いますよ。

DMかなんかくれたら、私やりますよ。
平日はバイトしてるときあるから、時間は限られるけれど。

みんな、ちょっと大変だけどがんばって公的支援、受けませんか。
本当に、お金がちょっと保証されてるだけで、精神的な負担、ぜんぜん違います。
今まで憎かったものが憎くなくなったりしますよ。本当。

私は、人に教えられるような知識はなにも無いんですけど、付き合うことならできますから。
連絡くださればと思います。
そういうチャンネル作ってもいいな。
Discordとかで。

ちょっとやり方いろいろ考えます。