シェアアトリエにおける自傷痕ノーリアクション法案

わたくしですね、夏でも人前で半袖になれないんですよ。
左前腕全体に難がございまして。

自傷癖はすっかり治っているんですけれどもね。
ただ、どうも体質的にケガの跡が残りやすいようでございまして、何年も経つんですけど一向に薄くなんないんですね。

そういうのにどうしようもなく拒否感を覚える方が多いのも知っているし、「それ」を隠さないという行動が相手に植え付ける特定の印象も私の望むところではないので、ふだんは夏でもカーデガン着ています。

つまり、「腕をまくる」「半袖を着る」という展開が予想される事柄を、徹底的に避けて生きてきました。
調理を伴う集まりや、スポーツジム、プール、マッサージ、入浴施設などですね。

ただね、今度シェアアトリエを開くにあたり、「自分の巣でまで、隠し事するんか?」というのをフッと考えました。

私という人間はあんまり珍しいタイプではないので、もしかしたら、同じように痕を隠して生きている人も、思ってるより多いんじゃないだろうか?

と、いうわけでございまして、アトリエ内でだけ生きる法案をひとつ考えました。

「自傷痕、あざ、根性焼き、手術痕等につき、わざわざ見せなくてもいいんだけどわざわざ隠さなくてもよくて、周りも本人が言わない限りいっさいリアクションしないこと」

っていうのはどうでしょうか。

私の場合、自傷癖があったことがバレた場合に嫌われるのもヤなんですけど、なんかこう、過去の傷跡に対していちいち「一体どんなつらいことがあったの!?」とか「うんうん、私そういうのわかる人間だから大丈夫だよ*」みたいなリアクションされるのも、これからずっとと思うとちょっとめんどくせえなっていうのが正直なところなんですよね。

だから、「この場においては、そうした事柄に対して、いっさいノーリアクションとする」っていうのを一応ルールとして置いておくんですよ。

そういうのって、最初は、「ルールだから心がけてそう振る舞う」つまり内心はなにか思っているかもしれない、という形になるんですけど、それをみんなが徹底していくうちにだんだん「当たり前」「本当に何とも思わない」に変わっていくものだと思うんです。

このアトリエ内では、半袖や七分袖のファッションを楽しんだり、暑けりゃ羽織を脱いだり、みんなでカレー作って食って腕まくって洗い物したり、周りの目を気にしないでふつーにやればよい、っていうの、私が利用者だったら助かるなあ。

あ、そうだ、ねじろ法典つくろうかな。
ねじろ内の特別ルールをつづったミニ冊子。

あ、それ、やろ。

私ゆくゆくは村つくりたいんだよな。

30年後くらいかな。
せいぜいがんばります。