嫌な奴とか悪い奴とかって、どこまでがそいつのせいなんだろうなあみたいな話

この記事もし勤務先に見つかって怒られたら消すんですけど、まあ「業務上知り得た機密情報」みたいな事柄を書くものではないので、たぶん大丈夫です。

私の勤め先というのが矯正施設なんですよね。刑務所とか拘置所とかそういうところです。

といっても、委託の民間業者ですし、中の人と直接やりとりをすることは一切ないので、たぶんイメージするほど特殊な業務ではないです。

そういった施設にいて、業務をいろいろやっておりますと、やっぱり思うんですよねえ。
「ここに入ってる人の何割が、生まれついてのどうしようもない超極悪人なんだろうな」って。

というのもですね、私自身に、たぶん3年くらい前だったかなあと思いますが「双極性障害を患った夫を私も知らずに追い詰めてしまい、結果夫に殺されかけてしまって警察沙汰→夫、保護入院→なんやかんやあった結果、現在はなんだったら昔よりも仲睦まじく暮らしている」という経験がありまして。
なんかねえ、「悪」っていう定義って、むずかしいなあと思って。

無治療でいた当時の夫だけを切り取ると、どこに出しても恥ずかしい、マジでクズなんですよね。
モラハラ人間と区別がつかない感じで。
ネットでもなんか荒らしみたいなことしてたし。

けれども、夫がそうなっていったことについて、これは自責とかではないんですけど私のパートナーとしての在り方が全く悪ではなかったかと言うと、決してそうではないとも思うんですよ。
仕事もねえ、合わない仕事必死でやって、残業なども多くて大変だったのを、もっと全面的に支えてやれたはずなんですよね。

いや、たとえそうであっても、もちろんそこで妻の首絞めちゃダメですよ。
その行為は絶対ダメですし、もし私ではなくて友達が旦那さんにそんなんされてたら問答無用で今すぐ別れろ縁を切れって言いますけど。

でも、かなり自問自答はしましたけれども、夫の行為は一刀両断で断罪できても、夫という人間じたいを断罪することはできんかった。
双極性障害というものをもともと知っていて、夫の様子がそれにドぴったり当てはまっていたから。

それがたまたま当たってたまたまいい方向に向かっただけなんで、やっぱり他の人が同じ目に合ってたら「全力で逃げろ振り返るな」って言うけど。

自分語りはこのへんにしまして。
ネットとかで遊んでても、いやな奴、「コイツ性格わっる」みたいな奴っているじゃないですか。

私は、そういう人、好きか嫌いかで言えば嫌いですよ。
嫌いですけど、嫌いですけどね、だけれども、本当にその人だけが悪いのかっていう部分については、もうネット越しに切り取った一片を見ただけという遠い立場からでは、判断できないですよ。

だからこそ私は、なにかに否定的な意見を言いたいときはできるだけ「いい・悪い」ではなくて、「好き・嫌い」「合う・合わない」という、感情論/一人称視点の言葉を使うんです。

たぶん、ガチで生まれたときからどうしようもないクズっていうのも存在はしてるんだろうと思うんですよ。
でもなあ。
たとえば親御さんが所有物的に扱ってしまってたとか、まわりの人間が理由もなくいじめたとか、その他色々、環境に問題があったパターンも多分多いですよね。
意地が悪くなったり他罰的になったりしていく原因が本人「だけ」のせいであるケースって、もしかしたら逆にレアなんじゃないのかなあ。
統計とか取ってないから、知らんのですけど。

もちろん被害者の方がいるようなことについてはね、私、加害者の肩は持てんですよ。
わりと感情的な人間なので、「そんなひどいことをしたら絶対にだめだ!!!!!!!!」って関係ないのに一人で怒ってしまうタイプです。

ですし、専門知識もないので、下手に加害者側の矯正とか保護とかに手を出すつもりもないです。

けれども、「加害者未満」みたいな状態の人。
本当は誰も憎みたくないのに憎んでしまうとか、妬んでしまうとか、それで自分で自分を呪うような状態になっちゃって、自らどんどん孤立していって、ひとりぼっちで悪化していってしまうパターン。
「こんな風になりたかったわけじゃないのに」って一人で泣いてるケース。
これをなんとかできないのかな。

私のような素人が下手に手を出すと、粘着やら、あと依存からの攻撃やら、何かとややこしくなるパターンのやつだとは思うんですけど、だけど、「そういう奴からは離れるのが吉」みたいな処世術がふつうになっちゃってるから、だから余計に孤独感が強まって、よくないんじゃないだろうか。

だからってどうしたらいいかなんて私はわからないですけど、「『誰にもいじわるしない努力をすること』だけ約束してくれるなら、ぜひシェアアトリエにおいでませ」ぐらいは言えます。ただし、人に悪さしたら、出禁よ。

私個人はね、いじわるするひとはそりゃ嫌いですよ。
けれども、もしかしたら、周りが変わればその人も変わる、みたいな人だって、一定数ぐらいはいるのかもしれないでしょ。

周りが変わったぐらいでは何も変わらない人は、しかるべき機関で専門知識のある人にお世話になるほうがいいけれども、普通に暮らしてる、専門知識のない、「機関」ではなくて「そこらへんの人」である人間がやるべきことだって、多分あると思うんだよな。

まあ、キャパ以上のことはしませんけどね。
キャパの範囲で。

あと別件で、べつに全然加害者じゃないのに「自分は加害者であり罪人である」って信じ込んでしまうのは私自身あったんですけど、それはなんかうつの症状でそういうのがあるみたいだから(罪業妄想でしたっけ)、病院行って、お薬飲んで、寝られるなら寝て、いろいろサボって、治るまでナマケモノごっこしたがいいです。

ゆるーっと。

ぬるーっと。

そんなかんじ。

また。