コンプレッサーがさっぱりわからん話

私は昔から歌を歌うことが好きだったんですけど、コンテンポラリーミュージックをはっきりと好きになったのはだいぶ遅くて、高校生くらいの時なんですよね。

だから、あんまり音楽耳じゃなくて、けんめいに訓練はしたんですけど、まぁーーーだ育ちきっていないんです。

イコライジングはなんとなくわかるんです。
どこらへんが飛び出してるというか、「音楽としてどうやったら優れてるか」はよくわからないので、自分の感性で「ここイヤだな」というところをぬるっと落とすような感覚でやっているんですけど。うん、EQはなんとなくわかる。自分なりの好みが発生する程度には。

コンプが、わかんないんですよねえ。

いや、しくみは知ってるんですよ。
上つぶしたり下持ち上げたりして、粒を揃えるみたいな感じでしょう、たぶん。

でもなんか、なんやろう、かけるのがあたりまえみたいになっているから自分の曲でも一回かけてみたりするんですけど、なんか、コンプかけると、ど〜〜〜〜〜〜もカッチコチなる感じしません?

前述の通り私はあんまり耳が育っていないので、気の所為のような気もするんですけれど。
コンプかけすぎや! みたいなのは、原音聴かないとわかんないんです、わし。

でも多分、がっつりかかってるのは好きじゃないんだろうなあ、とは思います。
個人的には、トラック頑張って作った曲の音より、弾き語り動画の音のほうが好きなんですよね、音量小さすぎるのがあれなんですけど。
けど音量って、聴く人が好きな音量にしたらいいじゃないですか。

だから、「ここいきなりでかすぎ!」ってとこだけ叩けば済むことない? それ以外にコンプって要る? っていう考え方なんですけど、どうなんでしょうね、わし、多分みんなが思っている以上にだいぶ耳素人やからなあ。

私、シロップで言うとHELL-SEEの音が好きなんです。
なんか、すごくないじゃないですか。
私、すごくないやつがすごく好きなんですよ。
すごくないといっても、すごくいい感じですごくないじゃないですか、ちょうどよく。

キラッキラした小綺麗なやつじゃなくて、すごくない感じのやつがいいんです。

あと、ダミアン・ライスの音の感じ、すき!
あれがもうちょっとモゴッと言うか、ジャリッと言うか、ぼたっというか、モタモタしてチープになった感じが、私がやりたいやつ。

私ぜんぶBETA57Aで録ってる。歌も楽器も。だいたいやっすいオーディオインターフェースにぶっこむだけ。それしか機材ないから。
たまにむかーし買ったやっすいやっすいカセットMTRを通したり、むかーし買ったやっすいやっすいコンパクトMTRみたいなので録ってPCに取り込んだりしますけど、基本的にむかーし買ったやっすいやっすい機材のままでやっていますねえ。

ちょうど自分ぐらいの背丈の音になって、なんかちょうどいいんですよ。

身の丈以上の機材揃えてようわからんうちに背伸びもしたくないし、しゃがみ込むこともしたくないんです。
音楽に限らず、いつでも、そのときそのときの「ちょうど自分ぐらいの背丈」のことをやりたい。

そりゃね、カッコつけて、よくわかってる風な言葉で表現しようと思えばできますよ。
できますけど、それってカッコ悪いじゃないですか。そんな舌先三寸で自分のやってることにハクつけるのは。

やっぱり私は「すごくない」でいきたいな。
すごいものは、見たり聴いたりして楽しむのがすき。自分がやるときは、自分らしく、「すごくない」でいきたい。

すごくない、も、結構奥深いんですよ。難しいんですよ、人ってどうしてもカッコつけたくなるから。
過不足無く自分でいるって、なかなか難しいし、勇気がいる。

勇気を使いたいんだろ!

いえい!