すくない需要、でもある需要

私はね、「多くの人が求めているもの」には興味ないんですよ。

だってそれは私がやらなくても、もっと頭のよい人がやるから。

でもね。
「それは需要が少ないので金になりません、却下」と切り捨てられてきたものの中には、ものすごく切実なだれかの願いが紛れ込んでる時があります。
どんなメディアにも載らないような、センセーショナルでない・目を引かない・多数派でないという理由でいっさい話題にされないいくつもの生活の中に、それぞれの苦しさ、しんどさ、そして魅力があります。

私の目的は、有名になることでもないし、大金持ちになることでもない。
じゃあ私は何をしたいんだろう、と考えたら、たぶん私は社会に対して「おまえらええ加減にせえよ」って言いたいんじゃないのかな。

やれマイノリティだとか権利だとかなんだとか、言うつもりはなくてね。
もっともっと簡単な話なんですよ。

たとえばTwitterで「選挙に行かない奴は狂ってる!」ぐらい語気を荒げて演説してる人間が、自分のすぐ隣の人が困ってても寄り添うことはいっさいしない。とかよくある話で。いや選挙はいったほうが勿論いい。それは大事なんだけども。
でもねえ、手間をかけずに優秀ぶる、インスタント正義を感じる。私は選挙が近づくたびにうんざりしてる。

仮に政治家がどんだけまじめにがんばってもさ、日本は民主制国家であるわけで、私らのものであって政治家のものではないんだからさ、私らが手間暇かけてがんばらんとなんも変わらんよ?
で、その手段は投票だけだと思ったら大間違いよ。それは手段のうちの一つに過ぎない。
もっとね、こう、他者に関する知識を深めて想像力を養うとか、そっちもすっごく大事なわけですよ。

こと私みたいに軽度の発達障害とかになってくると、申し訳ない気持ちはあるけどひとさまのご理解はある程度やっぱり必須なんですよ。一般的にも「そういうやつはいて、得意と不得意が極端だけど、得意の場所に配置すればちゃんと働ける」みたいに考えてもらえるのが当たり前になると、すっごい助かるんですね。

福祉が充実したってね、「それぐらいで福祉制度使うとか」「誰でもある性質に甘えんなよ」みたいなこと言うやつがいたらもうその制度は意味なくなるの。そっちのほうが重大なのよ。誰がトップになるんですかとかどんな制度しいてくれるんですかよりも。
だってみんな人間だから。悪口言われてまで他人に助けてもらうのつらいから。それを恐れて「申し訳ありません自力で何とかします」ってひとりぼっちで泣いてる人がどんだけいるか。
そういう、「決めつけて悪く言うのはやめましょう!」って言って戦う努力はナシで、ただただ自分が正義であるために「投票に行かない人」という他人を理由も聞かずに人権なきまでにぶったたくような人が私は個人的に、怖いのね。

「投票に行く」よりも、もっともっとめんどくさい手間のかかることが、やっぱりもう今の世の中だと必要だと思いますよ。あくまでも余力のある人は、ですけど。

言っても無駄でも、言わなきゃ何も変わんないしね。
私は政治家に対してじゃなくて、そこらへんにいる人たちに向けて言う。(街頭演説とかはしないよ恥ずかしいから。)
だって、私の生きづらさ、政治や福祉のせいじゃなくてまわりの人とうまくいかなかったことが根源だもん。自分が悪いのもたくさんあったし、周りの理解がないのもあった。

だから私はこんな需要が少ないことやってるんですよ。手持ちの金をじりじりとすり減らしながら(笑)。
需要が少ない、でも、確実にいるから。困ってる人は。

けっこう、負けん気が強いタイプ。

金なんぞ、燃やせば灰のかみっきれですわ。ため込んだって重たいだけよ。

それよりね、生きやすい世界にしたいしね。

まあそんなんですわ。

はい。

また。