つぎ、考えていること

私は、何をするにも、すぐ取らぬ狸の皮算用するんですよ。

まだ場所が借りられたわけではないのですが、つぎ、考えていること。
まあ展示です。ふつうに展示なんですけど、コンセプトはずばり「遊星歯車機構」。

私の周りの人ね、本当はものすごく絵が好きなのに、そこに没頭できない・活動をしきれない足かせがついてる人が結構いらっしゃるんです。

たとえば、体調面で活動継続の責任が持ちきれず、下手に動けない。
あるいは、過去に誰かに自信を打ち砕かれた経験があり、モチベーションを安定させられない。
もしくは、対人コミュニケーションが苦手で知らない大人相手に出展交渉ができない。

などなどなど。

こうした事情は、「実力不足」や「無責任」、ひどければ「甘え」とまで取られ、「そんなんじゃ、まともに活動なんて出来ないよ? 本当に描きたいなら、こういうところもがんばらないと!!!」とかなんとか、一蹴されてきた部分があると思います。

ただ私はね、私は、そんなのは、つらい。

私はいいですよ。ADHD持ちったって軽度。ある程度乗りこなしているし、もともとの性格上それなりに受け入れてもらえるような愛嬌も持ってる、今はうつも軽快してそこそこ動ける。電話が苦手とはいえ、メールであればちゃんと大人のやりとり出来る。

そんで?
たまたま自分が状況に恵まれたからって、私だけいい思いすんの?
それでいいの?
それで腹から笑えるの?
そこまで独善的になれるほど自我突っ切ってないでしょ?

っていうのが、私の中でものっすごく、あるんですよね。
本当にものっすごく。
私、芸術家にたぶん必要なのであろうエゴイズム、どうしても持てない。

私の周りにはね、私なんかが気取って前に出たってしょうがないような、もっと評価されるべきすてきなアーティストさんがね、いっぱいいるんですよ。

でも、何らかのハンディを抱えておられて、または誰かに無責任に馬鹿にされて軽んじられて、活動どころかそもそも筆を持つ自信からして奪われてしまってる人とかね、本当に、いるんですよ。

私ね、いい人ぶるんじゃないんですけど、そんなん、もう本当にヤダ。
そんなくやしいこと、なかなか無いですよ。

そこで、「遊星歯車機構」ですよ。

自分一人ではじょうずに動けない人を、私の展示に巻き込んでしまおうというものです。
私の展示の一区画をお分けして、そこにあなたの作品を飾ったり、名刺を置きますっていう。それを含めて、「すぐに人を巻き込んでしまう私という人間性」を揶揄して「遊星歯車機構」みたいなことです。

前回、紹介展示っていう形で「私の周りにこんなすばらしいアーティストがいるから見てくれ」というコンセプトでやらせていただいたことがあるんですが、今回は本格的に現物の作品をお預かりして、実物を展示したい方を募ってやってみようかなあって思っています。

あくまでもメインが私の展示なんで、たとえばあなたが制作途中で調子が悪くなって頓挫してしまっても、空きを私の作品で埋めればいいだけだから、問題ないんですよ。
私はそれについて、あなたが無責任だとは思わない。次、その次と、何度でもこういうのをやるので、何度でも挑戦してもらって少しずつ体力つけてもらって、10回目ぐらいにやっと展示にこぎつけてくれれば、それでいいんじゃないのかなあって思うんです。

つよくないとつくれない、そういう時代を、終わりにしたい。

無理して「自信あります!!」って言わなくていい。たいしてありもしない自信、あるふりしなくていい。
すごくなくていい、全員から愛されなくていい、光じゃなくていい。

すごくもない、愛されてもない、光でもない、でもそれでも「自分の作品、嫌いじゃない」って一瞬でも思えたら、あまつさえそれが誰かに受け入れられたら、それってなんか、いいじゃないですか。

無条件で、自分の作品を否定しなくて済む人生って、やっぱりね、やっぱり、味わってもらいたいんですよ。かりそめのこと、一瞬のこと、かもしれないですけど。

もしかしたらね、もしかしたら、そのたった一瞬の安心感で、そのあと、何かが変わるかもしれないじゃないですか。

!!!

って言ってる間に、打診してた会場様からお返事きたよ!
貸してくれるって!

よっしゃっしゃ!

あとでまた、正式にお知らせしますね!
とりあえずメール返信してくるから!

あとでね!