「整ったもの」と「いいもの」って相反するとまで言っちゃってもいいだろうか、という話

私は、こまごました事柄が苦手なんです。

とくに算数は、てんでダメですね。
音響は、紐解いていくと算数しなきゃいけなくなってくるんですけど、私にはむりです。

絵や音楽でいうと、「あらかじめ綿密に計算をして細部にまでこだわった作品作り」といった繊細な脳みそは、ほぼほぼ、ないです。

大体いつも、いきあたりばったり。やってみてから考えて、またやってみて、考える。
いい言葉で言うならば「流れに身を任せる」とも言えましょう。

「先に完成形のイメージがあって、それに向かって荒削りなものをどんどん精査していく」という作り方をすることは、あまりないです。
その瞬間にやりたいことをやりたいようにやって、それを積み上げていくというスタイルなので、出来上がりはいつも偶発的です。

ですから、絵で言えば、非常に頻繁に全体的な構図をしっぱいします。
主題となるモティーフが、いつも上すぎたり、下すぎたり、左右に寄り過ぎたりしています。バシッと安定した構図に決まったことがないです。

デジタルだとそういう位置調整もマウス一つでちょちょいのちょいなので、仕上がりは比較的それらしい感じになってくれるんですけど、なんかこう、それに頼るとどうも自分に負けたような気分になる。

ひとさまからご依頼いただいたものだったりすると、私の信念より出来のよさが大事だと思うのでそういう調整もばんばん使っていくんですけれど、本当は、そういった便利機能的なものは使わない、一本勝負みたいな感じでいきたいのが本音です。

絵では、レイヤー数とかも比較的少ないほうだと思います、たぶん。
音楽で言えば、トラック数が多分人より少ない。すごく少ないほうだと思います。バンド風のもので、ハモり入れた曲でも4〜5トラックくらいが平均じゃないでしょうか。
本当はマイク一本一発録りが一番好き。

いや、手ー抜きゃいいっていう問題ではないんですよ。それは違うんですけれど、でも、なんか、生身が感じられるものが好きなんです。
私けっこう人間がすきですからね、人間ならではのものが見たいし聴きたいのですよ。

優れたものにはあんまり興味ないんです。

やがては「すごくないレコーズ&編集部(仮想)」つくったろかなと思てるんですよ。
ネットレーベルみたいな感じで、でも音楽だけじゃなくて絵も歌も文章も写真もなんでもありの。
ただひとつの条件は「すごくない」こと(つまりローファイ、こないだ覚えた単語)

すごいやつはだめ。
自分の素で勝負できる、なんならアカペラでも鉛筆描きコピ本でも対応できます、みたいなひとだけ。

技術じゃなくて、人で聴かす、見せる。というイメージの。

まあ、まだ、夢物語なんですけれど。

40歳までにはつくりたいですね。

誰がくるねん。

また。